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「アンビエントメタルコア」+ 日本が誇る叙情系メタルコア

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こんにちは。管理人です。この記事では、アンビエントメタルコアとはどんな音楽なのか?どんなバンドがいるのか?など、叙情系メタルコアとともに簡潔に解説していきます。
この記事は「メタルコアのサブジャンルをまとめてみた(後編)」から続いています。こちらの記事もぜひチェックしていってください。

アンビエントとメタルコアの融合

はじめに、このジャンルの音楽は「プログレッシブメタルコア(progressive metalcore)」と同一視されることがあります。プログレッシブメタルコアについてはこちらをご覧ください。

アンビエントミュージックは「環境音楽」ともいわれ、以下のような解釈がなされています。

作曲家や演奏者の意図を主張したり、聴くことを強制したりせず、空気のように存在し、それを耳にした人の気持ちを開放的にすることを目的にした曲。シンプルで静かなメロディーを繰り返すものが多い。英国の音楽家ブライアン=イーノが1970年代に提唱。環境音楽。

コトバンクより

ヘヴィメタルに限らず、様々な音楽でアンビエント要素を取り入れた音楽が生まれています(詳細については割愛します)。共通点としては「人の気持ちを開放的にする」、「シンプルなメロディーを繰り返す」あたりになります。
ヘヴィメタルに取り入れられた「アンビエントメタル」は「ポストメタル」の一種とされ、壮大な世界観を持ち、ゆったりとした楽曲が多くあります。

Associated with and inspired by post-rock and post-hardcore, the genre employs the darkness and intensity of extreme metal but emphasizes atmosphere, emotion, and even “revelation”, drawing on a wide range of sources including ambient, noise, psychedelic, progressive, and classical music to develop an expansive but introspective sound.

Wikipedia(英語版)より

メタルコアはハードコアの攻撃性、速さなどを持つ音楽ですが、こうしたアンビエントな雰囲気を取り入れ、壮大さを持ち合わせながら鋭さのあるメタルコアを演奏しているバンドもあります。それらを「アンビエントメタルコア(ambient metalcore)」あるいは「アトモスフェリックメタルコア(atmospheric metalcore)」などと呼ぶことがあります。静(シンガロングやギター単音フレーズ等)と動(リフ)のコントラスト、ダイナミックな展開などが特徴です。
プログレッシブメタルコアとほぼ同一視されがちですが、必ずしもプログレッシブメタルの持つテクニカルな部分や前走的な表現とは一致しないため、今回は別のジャンルとして扱います。

そういえば、完全に余談ではありますが、イギリスのバンド Architects が「ポストメタルコア(post-metalcore)」という言葉を生み出していました。ツアーグッズで使われていた言葉だったかと記憶しています。
…なんとも言えないですが、これがポストロックやポストメタルからの流れを汲んだ言葉だとしたら、アンビエントメタルコアもそのうち「ポストメタルコア」という呼ばれ方をする日が来るのかもしれません。ひとまず「ジャンル」に大切なのは、そのジャンルをどう呼ぶかではなく、自分が好きになれる音楽をたくさん見つけることにあるのではないでしょうか。

Carcer City – Infinite//Unknown

日本独自の呼称「叙情系」

ハードコア・パンクのなかでも、メロディーに重きをおく音楽を「メロディックハードコア(melodic hardcore)」と呼び、その中でも、感情いっぱいの叫びや情感のあるギターメロディーを強調して、想いがこもっているハードコア「叙情系ハードコア」が、日本を中心に発展してきました。叙情系ハードコアは、大切な人との別れ、自省や決意などをテーマに作られることが多く、日本語の歌詞が採用されることもあります。
こうした音楽は、ポストロック/ポストパンク等のアンビエントな雰囲気を用いることも多くあり、こうした精神性や音楽要素がメタルコアにそのまま生かされているバンドもあります。「叙情系メタルコア」という呼ばれ方をしています。

今回は、叙情系メタルコアと先のアンビエントメタルコアが音楽的に近いこともあり、2つを同じくくり(アンビエントメタルコア)にまとめてみました。音楽そのものはとてもよく似ているので、どちらも楽しんでいただけると嬉しいです。
一方で、特に叙情系はプログレッシブメタルのようなテクニカルな要素、複雑さを持っていないケースが多いため、叙情系もプログレッシブメタルコアとは別でまとめています。

余談ですが、日本では「メロコア」という呼ばれ方をすることがありますが、そのほとんどは本来メロディックパンクやポップパンクというジャンルに該当します。一緒にしないでね。

The Last November – Everlasting(feat.Yojiro from A Ghost of Flare)

アンビエントメタルコアのバンドたち(海外)

ここでは、良質なアンビエントメタルコアを曲単位で紹介していきます。ほんの一部ではありますが、どうぞ楽しんでいってください。

  • Bring Me The Horizon – Go To Hell, For Heaven’s Sake

  • Northlane – Dream Awake

  • August Burns Red – Vanguard

  • In Hearts Wake – Divine

  • Carcer City – Infinite//Unknown

  • Misery Signals – The Failsafe

アンビエントメタルコアのバンドたち(日本)

こちらでは、日本を拠点に、あるいは日本から世界に羽ばたいているバンドを紹介します。必ずしもアンビエントだけをやっているわけではないバンドたちなので、曲単位での紹介です。

  • Crystal Lake – Sanctuary

  • Graupel – Towpath

  • A Ghost of Flare – Aerials

  • Paledusk – Lights

ほかにも、以下のバンドがアンビエントメタルコアを演奏していたりします。ぜひチェックしてみてください。

  • SOLITUDE A SLEEPLESS NIGHTS
  • EARTHISTS.
  • C-GATE
  • など