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メタルコアのサブジャンルをまとめてみた(後編)

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こんにちは。管理人です。このサイトでは、主にメタルコア音楽を中心に取り扱っています。この記事では、そんなメタルコアの音楽についていろいろ調べてみたものをまとめてみます。こちらは後編になります(前編はこちら)。お楽しみください。

メタルコアのサブジャンル一覧

ここでは、メタルコアのサブジャンルおよびメタルコアに関連したバンドや音楽を、時系列に沿って紹介していきます。ジャンル名をクリックすると、それぞれのサブジャンルの詳しい紹介や、サブジャンルに代表的なバンドの楽曲を視聴することができます。
※一部はページ制作途中のものもあります。鋭意制作中ですので、完成までしばらくお待ちください…

参考:Wikipedia(英語版) – Metalcore

ヘヴィメタルとハードコアの融合の歴史は、1980年代前半まで遡ります。当時はハードコア・パンクが生まれ、さまざまなバンドたちがハードコアの世界を切り開いていました。そんな中、アメリカの Black Flag や Bad Brains 、ならびにイギリスの Discharge や the Exploited といったバンドたちがヘヴィメタルの音楽を賞賛し、自身の音楽に取り入れていきました。まだこの頃は、ヘヴィメタル界とハードコア・パンク界に隔たりがあり、それぞれのバンドたちが互いに影響を受けることは少なかったようです。

こうした流れのなか、スラッシュメタルのリフとハードコア・パンクの過激さを融合させた「クロスオーバースラッシュ(crossover thrash)」という音楽が誕生し、Corrosion of Conformity や D.R.I. ならびに Suicidal Tendencies といったバンドたちが活躍しました。彼らはスラッシュメタル界のバンドたちとも共演を果たすほど認知されていくこととなります。そして当時、「メタルコア」という言葉は彼らクロスオーバースラッシュバンドたちを中心に呼ぶ言葉として使われていました。

ヘヴィメタルとハードコアの融合は彼らだけに止まらず、メタルのリフをハードコアやパンクの音楽に取り入れた「クラストコア(crustcore)」、メタルやハードコアの音楽要素を取り入れ、過激さを極めていった「グラインドコア(grindcore)」、メタル要素は少ないものの、のちにメタルコアでも取り入れられる「ブラストビート」などを駆使して速さを極めていった「スラッシュコア(thrashcore)」など、多くの音楽が生まれていきました。

メタリックハードコア期(90年代〜)

1990年代中盤になると、メタリックなハードコアバンドが数多く誕生します。なかでもアメリカの Integrity は、ハードコアバンド G.I.S.M とスラッシュメタルバンド Slayer の両方の影響を受けたサウンドを奏でるバンドとして注目を受け、またアメリカの Earth Crisis や Hatebreed はデスメタルとハードコアの両方からインスパイアされた楽曲を制作していました。こうした活動をしているバンドを「メタルコア」バンド、または「メタリックハードコア(metallic hardcore)」バンドと呼ぶようになり、他にも Converge 、Shai Hulud 、Judge 、Strife 、Rorschach 、Vision of Disorder 、Disembodied などがいます。

ほかにも、Botch や The Dillinger Escape Plan といったバンドが「マスコア(mathcore)」と呼ばれる音楽を演奏し始めました。変則的なテンポやリズム、シンコペーション等を積極的に用いた、テクニカルなハードコア・パンク音楽を指します。マスコアはヘヴィメタルから直接影響を受けているわけではありませんが、プログレッシブメタルにも共通する音楽要素を持っており、そうした点からもメタルコアの一種として扱われているようです。

この年代のメタルコアは、ハードコアの色合いがより濃く出ている傾向にあります。その後、2000年代に入り、ヘヴィメタルとハードコアの融合は大きな展開を迎えます。

2000年代に入り、Century MediaMetal Blade といった音楽レーベルがメタルコアバンドの音楽を取り扱うようになり、メタルコアはさらなる発展の時を迎えます。前述の Hatebreed が商業的に成功を収める中、新しく「メロディックメタルコア(melodic metalcore)」と呼ばれるメタルコア音楽が生まれ、Killswitch Engage をはじめとした多くのバンドが演奏していくこととなります。メロディックメタルコアは、北欧のメロディックデスメタルをベースに、曲中にブレイクダウン等、ハードコアの要素を含む音楽のことです。他にも圧倒的多数のバンドがメロディックメタルコアを演奏することとなり、その音楽文化は脈々と受け継がれています。

メロディックメタルコアについては、記すべき内容が多すぎるので別記事に分けました。気になる方はこちらの記事をチェックしてみてください。

2000年代後半になると、デスメタルから強く影響を受けたメタルコア、「デスコア(deathcore)」を演奏するバンドが増加してきます。代表的なバンドに Bring Me the Horizon や Suicide Silence 、Whitechapel、Thy Art Is Murder 、Carnifex などがいます。もともとデスメタルは様々なサブジャンルを持つ音楽であり(例:プログレッシブデスメタル、ブルータルデスメタル ほか)、他の音楽との親和性も高いため(例:ニューメタル、グラインドコア ほか)、デスコアも同様に他の様々な音楽と融合されていきました。アメリカのバンド Emmure をはじめとするニューメタルとの融合、アメリカのバンド After the Burial などによるプログレッシブメタル/ジェントとの融合、オーストラリアの Make Them Suffer などによるシンフォニックとの融合など、多彩な音楽が生まれています。詳しくはデスコアの項で触れていきます。

他にも、エレクトロニカ音楽とメタルコア/ポストハードコアを融合した「エレクトロニコア(electronicore)」が生まれました。日本では「ピコリーモ」という名前でも親しまれ、アメリカの Attack Attack! をはじめ多くのバンドがエレクトロニコアを演奏しています。また、様々な音楽性を内包し、1つの曲の中でも展開や曲調が細かく変わるような楽曲を演奏しているバンドを「ポストハードコア(post-hardcore)」と呼ぶことがあります(オルタナティブメタルと呼ぶこともあります)。ポストハードコアは、本来ポストロックやポストパンク等の要素を持つハードコアバンドを現していましたが、2000年代以降は、ヘヴィなサウンドを持ちながらもカテゴライズが難しいバンドをまとめて呼ぶようになり、場合によってはメタルコア=ポストハードコアとして扱われることもあります。

2010年代に入り、メタルコアを軸とした様々な音楽が生まれていきます。2020年現在大きな成功を収めている音楽に、「プログレッシブメタルコア(progressive metalcore)」があります。もともとは前述の After the Burial というバンドが元祖となっていましたが、2009年より活動を開始しているアメリカのバンド ERRA が、このサブジャンルの発展に大きく貢献しています。2010年代にはテクニカルなプログレッシブメタルコアがメタルコアの主流になっていきました。

他にも、2000年代の音楽の主流になっていたニューメタルをメタルコアに導入した「ニューメタルコア(nu metalcore)」が、2010年だに入り大きく発展しました。My Ticket Home 、Stray from the Path 、Emmure 、Of Mice & Men 、Suicide Silence 、Issues ら多くのバンドがニューメタルコアを盛り上げ、新しい音楽として広まります。もともとニューメタルはヘヴィメタル界の異端児として、良くも悪くも様々な論争を巻き起こしてきましたが、ニューメタルコアも同様に多くのメタルコアファンから賛否両論を受けているようです。

ほかにも様々なメタルコア音楽が生まれ、世に広まっていくこととなりました。日本では「叙情系」あるいは「叙情派」という音楽ジャンルがあり、おもにハードコアバンドで叙情系の要素を取り入れることがありました。叙情(情緒溢れること、胸が締め付けられるような切なさを超えた深い感動)を前面に押し出したこれらの音楽も、メタルコアに導入され、主に日本で発展していきました。これらの音楽は「アンビエントメタルコア(ambient metalcore)」の項で深く解説していきます。

参考:【叙情派】ハードコアらしい疾走するサウンドで突き進み、そしてドラマチックな展開!これが僕の中での黄金比 – 「バンドTシャツを120%楽しむ方法」さま

前編でも触れましたが、ヘヴィメタルというジャンルには(2020年時点)50年以上もの歴史があり、そのなかで多くのサブジャンルが生まれています。メタルコアはその中でも比較的新しいジャンルであり、今まで紹介したメタルコアのサブジャンルは、どれも比較的新しい音楽とメタルコアを融合してできたものになります。
ここでは、管理人が独自に調べた結果見つけた、メタルコアのマイナーなサブジャンルを紹介しています。いずれもヘヴィメタルのサブジャンルとメタルコアを掛け合わせたものになりますが、ブレイクダウンやポリリズム等をうまく活用して、新鮮で展開のある音楽に生まれ変わっています。

管理人が独自に調べたなかでもイチ押しなのが、「インダストリアルメタルコア(industrial metalcore)」です。前述のエレクトロニコアと一部似ているところがありますが、インダストリアルメタル由来の退廃的で粗暴な雰囲気、電子音楽に頼りきらずに演奏を押し進めるバンドの硬派な姿勢があり、そこにメタルコアの要素も相まって、聞き応え十分な音楽になっています。

参考:/r/Metalcore – reddit.com

番外編 – 一部で興っているもの

こちらは、一部で認知されている音楽をまとめたものです。主にメタルコアやポストハードコアに分類されるような音楽となりますが、特徴的な音楽のため紹介します。アメリカのレーベル「rise records」に所属しているバンドが「ライズコア(risecore)」と呼ばれることがあります。ライズコアは Attack Attack! をはじめとするバンドが演奏しており、キャッチーでスピード感のあるサビに対し、同じ音で歯切れの良い(ブリッジミュートを多用しない)リフを展開する傾向にあります。なお、ライズコアは「クラブコア(crabcore)」という呼ばれ方をすることも稀にあるようです。詳しくはライズコアの項で解説します。

「チャグコア(chugcore)」は演奏技法から生まれた言葉で、ザクザクした音、一拍の中に細かく刻まれるリフなどを使い演奏しているバンドを指します。日本では Sailing Before The Wind などがチャグコアとして活動しています。よく「ジェント(djent)」という演奏技法/ジャンルと間違えられたり、比較されることがありますが、当サイトではジェントをプログレッシブメタルの演奏技法の一つとみなします。

さいごに

だいぶ長くなりましたが、気になる音楽があればぜひチェックしてみてください。ディグる(掘り下げて知っていく)と素敵な音楽に出会えるかもしれません。
これからもいろいろなメタルコアをチェックし、追記すべき物があれば追記していきたいと思います。もし書き足すべき内容があれば教えてくださると大変嬉しいです。